その大きな要因となったのが、著しい安全意識の欠如。例えば、コンクリート製のスライダーをブレーキ付き のライドに乗って滑り降りていく「アルペンスライド」では、利用者を守る器具が全く装備されず、ハンドブレーキも粗悪だったために、転んでコンクリートの 上に体を滑らせ、すり傷を作る人が後を絶たず、中には不幸にも体が投げ出されて頭を打ち、死亡した人もいるという。
さらに途中で1度ループがあるウォータースライダー「キャノンボール」では、ゴール地点の底が浅いプールにかなりのスピードで突っ込み、けが人が続出。歯や骨を折るだけでは済まず、ここだけで「数人が死んだ」とされている。
1980 年代には、続出するけが人に対応するため地元消防局が「救急車を買って増やした」というほど、事故が相次いだ「アクション・パーク」。結局、次々と裁判が 起こされた経営者は、遊園地の評判を落としただけでなく、保険詐欺まで働いて罰金を受けるなどして負債を膨らませ、1996年に遊園地の経営権を売って、 「アクション・パーク」は閉園。その後、別の経営者がアトラクションを作り変え、「マウンテンクリーク」という名前のリゾート施設で最近まで営業していた そうだ。
そして2年前、以前「アクション・パーク」で従業員だったという現在の園長が、投資家グループと共に「マウンテンクリーク」の経営権を取得。準備を重ねて、今年6月14日に「アクション・パーク」の名前を復活させ、再開にこぎつけたという。
園内には、当時の「アルペンスライド」「キャノンボール」を思わせるアトラクションも復活。しかし、今度はしっかり対策が講じられてテストも繰り返し、利用者の安全を最大限確保する設計にしたそうで、園長は「当時とは全く違う世界だ」と胸を張る。
18 年ぶりの「アクション・パーク」再開に、中にはけがをしたトラウマから不信の目を向ける人もいるようだが、地元では当時のスリルを懐かしむ多くのファンが 喜んでいるそう。ニュージャージー州選出の上院議員までもが「また行きたい」とツイートするなど、概ね再開は好意的に捉えられているようだ。
地元では以前、夏を象徴する遊園地として人気だったという「アクション・パーク」に、今年は昔味わったスリルを再び求める人たちが大勢詰めかけるに違いない。
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